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豆知識

仏壇の鐘はいつ鳴らせばいいの?

2016年03月11日

仏壇に置いてある「チーン」と鳴らす、あのカネ。
一番身近にある仏具でありながらも、使用方法や正式な名前などを知らない方は多いのではないでしょうか?
正式な名前は沢山あり、「鈴(リン)」と呼ばれることが多いです(当記事では「鐘」と表示します)。

鈴(リン),鐘

読経の始めや最中、読経終わりに鳴らされるのが一般的で、読経をしない場合は鳴らさなくてよいとされています。
ただし、こちらは宗派によって異なり、日常礼拝(朝)の際は読経をしなくても鳴らしてもいいとする宗派もあります。

また、鐘は全宗派において使用されます。
今回はそんな、仏具の「鐘」について、購入方法(通信販売含む)、鐘に合わせて線香はどう使うのか、鐘の名称についてお話します。

【鐘の名前は?】

仏具における鐘にはいろんな名称があるようですが「鈴(リン)」と呼ばれることが多いです。
丁寧に「お鈴」ということもあるでしょう。

様々なサイズがありますが、鉢状または壺状の形をしていて、7~15センチほどの直径の大きさです。

一般的には「鈴台」と呼ばれる台座に置かれていますが、金属製の足と一緒になった「高台りん」と呼ばれる仏具もあります。
鈴と鈴台の間に「鈴布団」と呼ばれる中敷をひいて使用しますが、宗派によってはその宗派専用の鈴台を使用します。

鈴台と鈴布団

寺院で使用される大型のものは「磬子(きんす・けいす)」とも呼びます。
直径18センチ以上がこれに該当し、縁も厚く色も黒いものが多いです。

【仏壇の鐘は、いつ鳴らせばいいの?】

鐘はその縁を専用の棒で打ち鳴らして使います。その棒のことを「鈴棒(りんぼう)」「撥(ばち)」と言います。

鈴棒,撥

お勤めの際、読経をする前の「開始」として鳴らしたり、読経中の「区切り」、読経後の「終了」の合図として鳴らします。
また、合掌を解く合図として鳴らすときもあります。

宗派や菩提寺(檀家寺)によってはいつ鳴らしても別に問題ない、と寛容な場合もあります。
日常礼拝として朝に仏壇を掃除し、線香や仏飯・茶湯をお供えしたあとに鐘を鳴らし、合掌礼拝してお念仏を唱える、とする宗派もあります。

お念仏は、唱名念仏(称名念仏)ともいいますが、浄土宗なら「南無阿弥陀仏」真言宗なら「南無大師遍照金剛」といった宗派ごとの「決まり文句のようなもの」であり、これは各宗派の仏様や菩薩様の名前をさします。
ただし、浄土真宗の場合は、合掌礼拝してお念仏を唱えるのは勤行(「お勤め」のことです。 )とは異なりますから、たとえ念仏を唱える時でも勤行時以外には鐘は鳴らしてはいけないとしています。
鐘の鳴らし方や回数、いつ鳴らしていいのかということについて不明であれば、菩提寺(檀家寺)にご相談されるのがよいでしょう。
また、基本的には鐘の縁の部分を叩きますが、宗派によっては内側を叩くという場合もあるようです。

鐘の響きは極楽浄土まで響くと言われており、とても美しい音が鳴り響きます。
祈りや供養を音にのせて天に届ける、という謂れもあります。ご先祖・故人・仏様へのあなたの想いをのせて鐘を叩きましょう。

【鐘の購入方法は? 通販はある?】

鐘は仏壇仏具店でも通信販売でも購入できます。実物を確認してから買いたい人には、仏壇仏具店で購入される方法をお勧めします。
また、仏壇を購入した際に仏具付きとしてセットでついてくることもあります。

鐘の値段の相場は小さいもので800円程度からです。
直径で値段が変わり、一般的なサイズですと3500円程度です。
ただ、純金製のものなど素材や大きさ、国産であるかどうか、伝統工芸品かどうかにこだわれば1万円を超えるものも沢山あり、上を見るときりはありません。

サイズに関してはお店と相談し、仏壇の大きさにあったものを選ぶのがよいでしょう。

鐘は金属製ですからどうしても年月と共に変色してしまいます。
鐘をお手入れするための研磨兼汚れ落としクリームなども仏壇店で販売されていますので、併せて購入しておき、こまめに手入れをすると購入時の輝きを維持しやすいでしょう。

鐘は通信販売でも購入できることができます。
仏壇仏具店が通信販売を行っていることもあります。
また、Amazonや楽天市場といったショッピングサイトでも取り扱われています。
モダンなタイプのもの、鈴台・鈴棒などが全てセットになっているものなど幅広く販売されています。
宗派のことも含め、サイズ、素材、すでにある仏壇とのバランスを考え、通信販売で購入してもよいでしょう。

【線香と鐘の使い方は?】

線香をあげたときに鐘を鳴らす人を時々見かけます。
しかし、それは基本的には間違いです。
前述したように、鐘を鳴らすのは読経する前(お勤め前)または朝の日常礼拝時であり、神社のように自分が来たことを示す合図ではありません。
ですから、日常礼拝ではない場合に線香をあげるとき(弔問や簡単なお参り時など)は鐘を鳴らす必要はありません。

また、線香のあげ方も宗派によって違いがあります。
天台宗・真言宗は3本を立ててお供えします。座る側に1本、仏壇側に2本立てて逆三角形の形になるようにします。
浄土真宗は1本を2つに折ってから火をつけて寝かせて供えます。
臨済宗・曹洞宗・浄土宗は1本を立ててお供えします。日蓮宗は1本または3本を立ててお供えします。

もし、他家のご自宅にお呼ばれして、仏壇にお参りするときに宗派などで鐘を鳴らすべきか悩んだ時は、家人に聞くのが一番よいでしょう。

【まとめ】

全ての宗派において幅広く使われる仏具の鐘ですが、宗派によっては読経時にのみ鳴らすということを覚えておきましょう。
神社の鐘と同じように、仏様や故人にお参りの存在を伝えるために鐘を鳴らすと思われている方も多いと思いますが、鐘には供養やお祈りの気持ちをのせるものです。
強く打ち鳴らしたり、闇雲に鳴らすものではないということを念頭に置いておいてください。
残響に想いをのせて、大切に鐘を打つようにしましょう。
  

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